ヴィンド28(Vindö 28)は、スウェーデンの造船所であるNötesund Varv AB(通称ヴィンド)によって1960年代初頭に設計・製造されたクラシックなセーリングヨットです。設計者はカール・アンダーソン(Carl Andersson)で、ヴィンドシリーズの最初のモデルとして知られています。
設計と構造
全長8.2メートル、全幅2.35メートル、喫水1.3メートルのモノハル(単胴船)で、ロングキールを採用しています。船体はマホガニー材を使用した木製で、クラシックな外観と高い工作精度が特徴です。
帆装と性能
マストヘッドスループの帆装を持ち、総帆面積は約27.9平方メートルです。設計上の最大船速(ハルスピード)は約6.4ノットとされています。
内部レイアウト
キャビン内にはダブルバースが1つとサロンがあり、最大で4人までの宿泊が可能です。ただし、船内の水や燃料の容量は限られているため、長期間の航海には追加の準備が必要となる場合があります。
航行特性
ヴィンド28は、重厚な設計により高い安定性と復元力を持ち、ブルーウォータークルージング(外洋航海)に適しています。一方で、エンジン出力が控えめであるため、動力航行時の速度は限定的です。
製造と歴史
1961年に初めて製造され、ヴィンドシリーズの礎を築いたモデルです。その後、ヴィンド30やヴィンド18など、さまざまなモデルが続きました。
ヴィンド28は、そのクラシックなデザインと優れた航行性能から、セーリング愛好家の間で高く評価されています。特に、伝統的な木製ヨットの美しさと職人技を求める方にとって、魅力的な選択肢となるでしょう。