Southern Wind SW108は、イタリアのNauta DesignとアメリカのFarr Yacht Designが共同で設計し、南アフリカのSouthern Wind Shipyardが建造する、全長約32.87メートル(バウスプリット含む全長35.51メートル)のセミカスタムセーリングスーパーヨットです。2023年に初号艇「Gelliceaux」が進水し、革新的なハイブリッド推進システムと高性能なセーリング性能を兼ね備えたモデルとして注目を集めています。
船体と構造
SW108は、カーボンエポキシとCorecellサンドイッチ構造を採用し、軽量かつ高剛性な船体を実現しています。これにより、風速8ノットで12ノットの船速を達成し、強風下では20ノット以上の高速航行が可能です。キールは固定式、テレスコピック式(3.65〜5.6メートル)、リフティング式(4.0〜6.2メートル)から選択でき、ツインラダー構成と組み合わせることで、優れた操縦性と安定性を提供します。
ハイブリッド推進システム
SW108は、BAE Systemsと共同開発したディーゼル・エレクトリックハイブリッド推進システムを搭載し、環境への配慮と高効率な航行を実現しています。このシステムは、バッテリーバンクによる「サイレントモード」、ディーゼルエンジンと電動モーターを併用する「ハイブリッドモード」、航行中にプロペラを利用して発電する「ハイドロジェネレーションモード」の3つの運転モードを備えています。
デザインとインテリア
デッキレイアウトは、Raised Saloon、Deck Saloon、GT(グランツーリスモ)から選択可能で、GTバージョンでは、5メートルのテンダーを収納できるガレージと、ビーチクラブとして利用できる「マジックトランサム」を備えています。インテリアは、オーナーの好みに合わせてカスタマイズ可能で、前方または後方に配置できるオーナーズキャビン、3つのゲストキャビン、L字型の広々としたサロン、そして船尾に配置されたクルーエリアを特徴としています。
パフォーマンスと快適性
SW108は、軽量なカーボン構造、高効率な帆装、深いリフティングキール、ツインラダー構成により、優れたセーリング性能を発揮します。また、静音性の高いハイブリッド推進システムや、快適なインテリアデザインにより、長距離航行や家族でのクルージングにも最適です。
Southern Wind SW108は、革新的な技術、高性能なセーリング、環境への配慮、そしてオーナーの要望に応えるカスタマイズ性を兼ね備えた、次世代のセーリングスーパーヨットです。そのバランスの取れた設計と高い完成度は、世界中のセーリング愛好家から高い評価を受けています。
コメント