RM890+は、フランスのRM Yachtsが手掛ける全長8.9メートルの高性能クルージングヨットです。2013年に初代RM890が登場し、そのスポーティなデザイン、広々とした居住空間、優れた航行性能で高い評価を受け、122隻が販売されました。その成功を受け、さらなる快適性と機能性を追求して改良されたモデルがRM890+です。
設計と構造
RM890+は、著名な設計者マーク・ロンバード氏によってデザインされました。船体は主に合板とエポキシ樹脂で構成されており、この組み合わせにより高い剛性と耐久性を実現しています。また、優れた断熱性と防音性も備えており、長期の航海や港での滞在中も快適な環境を提供します。キールのオプションとして、シングルキール(喫水1.90メートル)とツインキール(喫水1.50メートル)があり、航行エリアや個々のニーズに合わせて選択可能です。ツインキールは、浅瀬での安全な着底を可能にし、干潮時でも安定した停泊を実現します。
デッキとコックピット
デッキデザインは、シンプルさと機能性を重視しています。広々としたコックピットは、クルーが快適に過ごせるスペースを提供し、操船中の動線もスムーズです。デッキ上には十分な収納スペースが確保されており、航海中に必要な装備や物品を整理して収納できます。
リグとセールプラン
RM890+は、シングルマストのスループリグを採用しています。メインセールとジェノアはそれぞれ25平方メートルで、アシンメトリックスピンネーカーは90平方メートルの面積を持ちます。このセールプランにより、さまざまな風況下で優れたパフォーマンスを発揮します。また、最新のマストとリギングシステムにより、セーリング中の操作性と効率性が向上しています。
インテリアと快適性
船内は、快適性と機能性を兼ね備えたデザインが施されています。サルーンにはチーク材のテーブルが配置され、新しいインテリアカラーと家具デザイン(キッチン、チャートテーブル、ドア)が採用されています。4つの窓がサルーンに自然光を取り入れ、明るく開放的な雰囲気を演出します。各キャビンには読書灯が設置され、オプションでカーテンも追加可能です。これらの改良により、船内での生活がより快適になっています。
性能と航行性
RM890+は、軽量構造と洗練された船体デザインにより、優れた航行性能を誇ります。軽風から強風まで、さまざまな条件下での操作性と反応性が高く、単独航海にも適しています。また、ツインキールバージョンでは、浅瀬での安全な着底が可能で、干潮時でも安定した停泊を実現します。
総評
RM890+は、快適性、性能、安全性を高次元で融合させた30フィートクラスのクルージングヨットです。その革新的なデザインと高品質な構造は、沿岸クルージングや港間の航海を楽しむセーラーにとって理想的な選択肢となるでしょう。RM890+は、航海中の快適性と性能を追求する方々にとって、魅力的なヨットです。