Lido 14は、アメリカのW.D. Schock社が設計・製造する14フィート(約4.27m)の小型ディンギーです。1960年に登場して以来、初心者から経験者まで幅広い層に愛され、特に家族向けやセーリングスクール、クラブレースなどで広く使用されています。堅牢な設計とシンプルな操作性が特徴で、現在でもアメリカを中心に多くのオーナーが活発に使用しています。
基本仕様
- 全長(LOA):4.27 m(14フィート)
- 全幅(BEAM):1.74 m
- 喫水(DRAFT):0.15 m(センターボード格納時) / 0.96 m(センターボード降下時)
- 排水量(DISPLACEMENT):145 kg(軽量設計)
- バラスト:なし(センターボード式)
- セール面積:8.92 m²(メイン+ジブ)
- スピネーカー:なし(オプション対応可)
- 定員:2〜4名
- 設計者:W.D. Schock
デザインとコンセプト
Lido 14は、初心者でも扱いやすく、なおかつレースでも十分に楽しめる設計となっています。
- 安定性に優れたディンギー
- 幅が広く、フラットな船底を持つため、転覆しにくい。
- 家族向けやスクール向けの設計
- セーリング初心者や子供連れの家族にも最適な設計。
- シンプルなリギング(索具)構成
- メインセールとジブの2枚構成で、操作が直感的。
- レースクラスとしての確立
- ワンデザインクラスのレース艇としても人気があり、公平な条件で競技可能。
セーリング性能
Lido 14は、シンプルな操作性と軽快な走行性能を兼ね備えています。
- 軽量なため微風でも走行可能
- 風が弱い日でもスムーズにセーリングができる。
- センターボード式で浅瀬にも対応
- センターボードを引き上げれば、浅瀬でも航行可能。
- 風上への高い適応力
- 効率的なセールデザインにより、風上方向への進行も良好。
- ジブによる安定したセーリング
- ジブを利用することで、風をより効果的に捉えることが可能。
風向き別のパフォーマンス
- 風上(ビート):センターボードを下げることで風上への進行がスムーズ。
- 横風(リーチング):安定感のあるフラットな船底でスムーズに走行。
- 追い風(ランニング):シンプルなセールトリムで安心して操船可能。
コックピットとデッキレイアウト
Lido 14のコックピットは広めで、最大4人まで快適に乗船できます。
- オープンコックピットデザイン
- クルーが動きやすく、操作が簡単。
- バウ(船首)に収納スペース
- 小物やセーリングギアを収納可能。
- フットウェル(足元のスペース)あり
- 快適な座り心地を提供。
- トランサム(船尾)がフラット
- 安定したハンドリングを実現し、乗降しやすい。
初心者向けのポイント
Lido 14は、初心者にも優しい設計が随所に見られます。
- 転覆しにくい設計
- 幅が広く、フラットな船底のため、バランスが取りやすい。
- シンプルなロープ操作
- 2枚のセール(メイン+ジブ)のみで構成され、覚えやすい。
- 軽量で取り回しが簡単
- 陸上での移動やセットアップも容易。
- メンテナンスが少なく済む
- シンプルな構造のため、維持管理が簡単。
レース艇としての特徴
Lido 14はワンデザインレースのクラスが確立されており、競技用としても人気があります。
- 全艇が同じ仕様のため、公平なレースが可能
- クラス協会があり、レースイベントが頻繁に開催
- 経験者にも十分楽しめる性能
- 改造が制限されているため、コストを抑えて競技可能
エンジンと補助動力
Lido 14は基本的に帆走専用ですが、補助動力として以下のオプションが可能。
- 小型の電動トローリングモーター(オプション対応)
- 風がないときの移動用。
- 手漕ぎのオール(パドル)
- 風がないときでも短距離なら移動可能。
総評
Lido 14は、初心者向けのセーリングからレース競技まで幅広く活用できる小型ディンギーです。
- 安定性が高く、初心者や家族向けに最適。
- シンプルなリギングで、操作が簡単。
- レースクラスが確立されており、競技艇としても活躍。
- 軽量で持ち運びが容易なため、陸上保管も可能。
- 低コストで維持管理ができ、長く楽しめる。
セーリングを始めたい人や、気軽に楽しみたい人、競技レースに挑戦したい人にとって、非常にバランスの取れた選択肢となるヨットです。